サッカー日本代表のオランダ遠征は1勝1分けに終わった。2020年初の国際親善試合で練習時間は十分では無かった状況を考えると結果は評価できる。しかしカメルーン戦をみても初歩的なパスミスやロングボールの蹴りあいなど内容面では満足いくものではなかった。
オランダ遠征での収穫は3つあった。
今回はその3つの収穫について深掘りしていきたい。
安定感抜群のDF(ディフェンス)陣
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オランダ遠征の2試合のスタメンDFは以下の通りだ。
第1戦カメルーン戦は吉田麻也、富安健洋、酒井宏樹、安西幸輝の4枚。
第2戦コートジボワール戦は吉田麻也、富安健洋、室屋成、中山雄太の4枚。
2戦ともにスタメンだったのは吉田麻也と富安健洋のCBコンビの2人だ。
サイドバックは酒井宏樹のレギュラーは固いが、胃腸炎で参加できなかったので長友佑都以外の選手にもチャンスが回ってきた。
1戦目はカメルーンのボールキープ率が高く、押し込まれる場面が多く否が応でも守備陣が目立つ試合だった。吉田麻也、富安健洋、酒井宏樹の安定感が際立っていた。吉田、富安はイタリアセリエAのサンプドリア、ボローニャでプレーしている。酒井宏樹はフランスの名門マルセイユでプレー。この3選手はいづれもクラブでレギュラーを勝ち取って試合に出場し続けている。
とくにイタリアはカテナチオともいわれるように守備が固い国として有名だ。そんな守備の国イタリアでレギュラーポジションをつかんでいるだけの実力が遺憾なく発揮されていた。また、酒井宏樹に関してもリーグ戦でエムバペやネイマールとやり合っている。空中戦、当たり負けしない体、スルーパスへの読み、ウイング(酒井)としての攻め上がりも含めトップリーグのスキルをみせてくれた。
この3人は紛れもなく次回W杯のレギュラーだと予想している。2試合を通じてDF陣の安定感がなければおそらく失点して負けていただろう。
スピードスター伊東純也の成長
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オランダ遠征の収穫2つ目は伊東純也だ。カメルーン戦は後半から、コートジボワール戦は先発した伊東純也。
カメルーン戦では終始もやもやした試合展開だったが、伊東純也が打開した。チャンスの数は少なかったが、試合終了間際の右サイドのドリブル突破は見事なスピードスターぶりだった。カメルーンの身体能力を持ってしてもついて行けない速さで相手のファールを誘った。
現在ベルギーリーグのヘンクでプレーしている伊東純也だが、当初守備面で課題があるとされていた。しかしこの2戦を見る限り、攻撃だけでなく守備にも貢献していた。自分のミスで奪われたボールを追いかけ自ら取り返したり、アグレッシブに攻守にわたり存在感を発揮していた。
以前の伊東純也から2周りくらい成長した感覚があった。元来の持ち味であるスピードにプレーの安定感と守備力がアップされ日本代表のレギュラーに一歩近づいた感がある。これは日本代表にとって大きな収穫であるし、次回W杯の大きな力になる。
GK川島永嗣のバトンは次世代シュミット・ダニエルへ
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シュミットダニエルは第2戦のみの出場となったが、安定感と判断力、空間把握、飛び出しの良さ、キャッチングのスキルの高さを見せてくれた。1戦目と2戦目では明らかにGKのプレーに違いがあったことに気づいた。
シュミット・ダニエルはフリーでボールを持った時、もうすでに攻撃の意識をもって味方にパスを送っていた。むやみにボールを前線に蹴ったり、ロングボールを送るようなプレーは少なかった。
シュミット・ダニエルというと長身にばかり目が向きがちだが、しっかりとした足でのボールさばきも身につけている。それとプレーに迷いが一切感じられなかった。ゴールキーパーはチームにとっての最後のとりでだ。だからキーパーが思い切って堂々と迷いなくプレーすることは間違いなくチームに波及すると感じている。そういった意味でもシュミット・ダニエルは伊東純也と同じく2周りほど成長したような気がする。
日本代表は川口能活、川島永嗣と安定感抜群の絶対的GKがいた。年齢的なことを考えたときに川島永嗣の次のGKが必要だ。シュミットダニエルは現在28歳、2022W杯では30歳を迎える。GKとして30歳はちょうどいい。2019年~ベルギーリーグのシントトロイデンに所属するシュミットダニエルだが、以前レギュラーを保証されていない。197cmの長身はキーパーにとって最大のメリットだ。コートジボワール戦のような安定したプレーが続けば日本代表の守護神の座も見えてくるはずだ。
まとめ
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サッカー日本代表のオランダ遠征は無事終わった。
課題と収穫がそれぞれ見えた価値ある国際親善試合になった。
✅オランダ遠征の収穫はこの3つ!
2、スピードスター伊東純也の成長
3、川島永嗣のバトンは次世代シュミット・ダニエルへ
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