久保建英選手が移籍したことで話題になっているのがヘタフェのボルダラス監督だ。
移籍に際して熱心にアプローチをして、移籍後わずか3日で久保建英をピッチに送り込んだ。
久保建英はボルダラス監督の期待にこたえ、みごと2得点にからむ活躍をみせたのだった。
久保建英ファンだけじゃなく、そんな男気溢れるボルダラス監督に興味をもたずにいられないだろう。
ボルダラス監督のことをもっと知りたいと思ったので、「経歴やプロフィール、戦術など」から徹底的に分析してみることにしました。
今回はヘタフェボルダラス監督の経歴を分析して、その人物像にせまる。
ヘタフェのボルダラス監督の経歴を徹底分析!
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ボルダラス監督がヘタフェの監督になったのは2016年9月だった。
2021年1月現在まで4年以上にわたってヘタフェの監督を務めている。
ヘタフェの監督就任してからボルダラス監督は、ずっと好成績をキープしてきた。
そして2018には、ヘタフェ・クラブ史上最高位となる5位という成績をおさめている。
(※ちなみに5位になると、欧州ヨーロッパリーグ出場権を獲得できる。)
▼欧州ヨーロッパリーグについての詳細はこちらの記事をどうぞ。
ボルダラス監督が就任してからの成績をまとめて見てみよう。
ヘタフェの監督になった2016年~2021年までの成績です。
▼ボルダラス監督がヘタフェに就任してからの成績は以下のとおりです。
ヘタフェ成績一覧(2016~2021シーズン) | ||
2016-2017 | ラリーガ2部 | 3位(プレーオフで1部へ昇格) |
2017-2018 | ラリーガ1部 | 8位 |
2018-2019 | ラリーガ1部 | 5位(過去最高位) |
2019-2020 | ラリーガ1部 | 8位 |
2020- | ラリーガ1部 | 13位(17節終了時点) |
※今シーズンの順位表はこちら⇒2021ラリーガ順位表
2016年ファン・エスナイデル監督のあとを引き継ぎ、当時2部リーグにいたヘタフェを指揮することになったボルダラス監督。
2016シーズン3位になってプレーオフに勝利し1部リーグへ引き上げると、2020シーズンまで4期にわたってラリーガ(スペインリーグ)1部リーグ残留という結果を成し遂げている。
2017シーズンは8位、2018シーズンは5位、2019シーズンはふたたび8位。
そして迎えた2020シーズンは久保建英が加入するまで低迷していた。
久保建英が加入する前のヘタフェの順位は16位。
降格圏内の18位のクラブとの差はわずか「勝ち点1」しか無かった。
目まぐるしく昇格と降格を繰り返すラリーガ1部で生き残ること(残留すること)は、本当に難しいことである。
ちなみに2部リーグへ自動降格するのは「18位~20位」の3チーム。毎年必ず2部と1部で入れ替わるシステムになっている。
ボルダラス監督とヘタフェにとって、どれほど窮地に追い込まれた状況だったのがわかるでしょう。
さて、ボルダラス監督の経歴についてさかのぼっていきましょう。
▼ラリーガについてもっとくわしく知りたい人は下記の記事をどうぞ▼
ヘタフェ・ボルダラス監督の選手時代の経歴
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▼ボルダラス監督のプロフィール
名前:ホセ・ボルダラス・ヒメネス(José Bordalás Jiménez)
生年月日:1964年3月5日(56歳)
出身地:スペイン、バレンシア州アリカンテ
身長:180㎝
ポジション:FW(フォワード)
所属クラブ(監督):エルクレス(WIKI)、ベニドルム(WIKI)など15クラブ
ボルダラス監督は1980年にエルクレスでプロサッカー選手になったが、サッカー選手としての経歴は決して華やかなものではなかった。
若干28歳でサッカー選手を引退している。
現役サッカー選手だったのは1980年~1992年の13年間で、4部リーグでのキャリアが最高で幕を閉じることになった。
その後、サッカー指導者という経歴を歩むことになっていく。
ヘタフェ・ボルダラス氏の指導者・監督時代の経歴
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引用元:ヘタフェ公式インスタグラム
サッカー選手としての経歴を終えたボルダラス監督は翌年1993年、地元アリカンテCFで指導者になった。
はじめアリカンテの2軍を指揮していたが、すぐにトップチームの監督に就任することになった。
その後1993年~2021に至るまで数々のクラブの監督を歴任してきたボルダラス監督。
現在56歳だが、監督としてのキャリアはもう28年になる。
ボルダラス監督が率いたクラブのうち、みなさんに馴染みがあるのは「エルチェ」と「アラベス」でしょう。
エルチェは当時2部リーグでそのまま残留という成績だった。
当時2部リーグのアラベスでは2015-2016シーズンに優勝を果たし1部リーグへ昇格させている。
ボルダラス監督は10シーズンぶりの1部昇格は認められたが、2016年6月にアラベスの監督を解任されている。
そして、2016年解任されたボルダラス監督に声をかけたのが、現在監督を務めるヘタフェだった。
▼ボルダラス監督が指揮したクラブ一覧表は以下のとおりです。
ボルダラス監督が歴任したクラブ一覧表 | |||
---|---|---|---|
クラブ名 | シーズン | リーグ | おもな成績 |
アリカンテB | 1993ー1994 | ー | はじめて監督に就任 |
アリカンテ | 1994-1995 | ー | |
ベルドニム | 1995-1996 | 3部 | |
エルデンセ | 1996-1997 | ー | |
ムシャビスタ | 1997-1998 | ー | |
アリカンテ | 1998-2002 | ー | |
ノベルダ | 2002-2003 | ー | |
アリカンテ | 2004-2006 | ー | |
エルクレス | 2006 | 2部 | |
アルコヤーノ | 2007ー2009 | 2部 | |
エルチェ | 2009-2012 | 2部 | |
アルコルコン | 2012-2013 | 2部 | |
アラベス | 2015-2016 | 2部 | 1部昇格 |
ヘタフェ | 2016-2021 | 2部 | 1部昇格/5シーズン目 |
表で分かるように1993年~2006年まではおもに3部~5部あたりのクラブの監督を務めている。
2006年エルクレスの監督に就任し、徐々に2部リーグの監督として実績を積み始めた。
2015年のアラベス、2016年のヘタフェでの実績がボルダラス監督の名前を世間に広めていった。
ヘタフェは2部リーグから1部昇格した1年目に8位、2年目には5位、3年目に8位と極めて良い成績をおさめたのだった。
ボルダラス監督の実績は徐々に認められ、2018-2019年にはラリーガ最優秀監督に贈られる「ミゲル・ムニョス賞」とUEFA(欧州サッカー連盟)からラリーガ最優秀監督賞を受賞している。
2015年のアラベス、2016年のヘタフェを2部⇒1部に昇格させた手腕はたしかで、ボルダラス監督は冷静な分析が得意で近代のプレッシングサッカーを体現している。
プレミアリーグのリバプールがやっている「ゲーゲンプレス」に似たようなサッカーで、前線から相手選手を追って追って追いまくる激しいプレスを仕掛けていく。
ボルダラス監督のサッカーは、クラブ全体として守備の意識が高く、守備を起点として攻撃に転じていくという戦術である。
2021シーズンも4-4-2フォーメーションを起用し、スペイン代表FWマタの決定力を中心にプレッシングサッカーを戦術の中心においた。
しかし相次ぐケガ人や夏の市場で十分な戦力補強ができなかったため、降格圏を争う順位に低迷していたのだった。
久保建英が加入する直前のインタビューでボルダラス監督は語っている。「クラブが低迷していることから目をそらすことはできない。ヘタフェは新鮮な空気、攻撃的な選手を必要としている」と。
ヘタフェに所属している選手は守備的な選手が多く、攻撃のバリエーションを増やしてくれる選手が少ない。
そのためひとたび攻撃的な選手がケガをすると、代替する選手がいないのだった。
ボルダラス監督が求めた「新鮮な空気」と「攻撃的な選手」こそが久保建英選手とアレニャ選手だったということは言うまでもない。
そしてヘタフェは冬の移籍市場で久保建英選手とアレニャ選手を獲得したのだった。
2選手がわずかな準備期間の中起用されたのは、ボルダラス監督が攻撃的な選手を心底だと考えたからだった。
新戦力の加入で「4-4-2」から「4-2-3-1」へフォーメーションを変化させる可能性もある。
つまりFWをワントップにして中盤に厚みをもたせる。
4人だったMF(ミッドフィルダー)を5人に増やし、守備的MFと攻撃的MFに分けることで、中盤で攻撃を組み立てることができる。
これまでの攻撃はクロスは縦パス一辺倒だったが、中盤でパスをまわしスルーパスやワンツー、ミドルシュートなど攻撃のバリエーションが格段に増えるということだ。
中盤の人数は3人で、久保、アレニャ、ククレジャを中心にパスサッカーで組み立てながら相手DF(ディフェンダー)のスキを狙っていくサッカーだ。
▼こちらの記事を読むともっとくわしくなる!
【経歴から分析する】もっと知りたい!ヘタフェのボルダラス監督とはどんな人物なのか?まとめ
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引用元:ヘタフェ公式インスタグラム
ヘタフェのボルダラス監督の経歴から分析した人物像はいかがだったでしょうか?
ボルダラス監督が歩んできたサッカー人生の一端がみえてきましたね。
まとめてみると・・・
プロ選手としての経歴は1980~1992年(13年間)、4部リーグで現役サッカー選手としてのキャリアを閉じた。
指導者・監督の経歴は1993年~2021年(28年間)、現在56歳なので人生の半分を監督として過ごしていることになる。
ボルダラス監督が指揮してきたクラブはヘタフェで15クラブ目になる。
ヘタフェの監督在籍期間は2016年~2021年。5シーズンにわたって指揮をするのは、監督キャリアの中で最も長い期間だ。
▼ボルダラス監督の経歴と実績まとめ
・ラリーガ2部⇒1部昇格させたクラブが「アラベス」「ヘタフェ」の2チーム。
・2018シーズン・ラリーガ1部でヘタフェを5位に導いた(クラブ初・ヨーロッパリーグ出場権獲得)
・2018-2019年にはラリーガ最優秀監督に贈られる「ミゲル・ムニョス賞」とUEFA(欧州サッカー連盟)からラリーガ最優秀監督賞を受賞した。
2021のボルダラス監督はこれまでのサッカースタイルの変化の必要性を感じている。
先日のエルチェ戦を見ていて感じたのだが、これまでのプレッシングサッカーを継続しつつ、新加入の久保建英選手とアレニャ選手、ククレジャ選手を中心にパスサッカーを導入する予感がしてきた。
かんたんに言うと「プレッシングサッカー」+「パスサッカー」の融合を考えている。
2021のヘタフェは苦しんでいる。これまでのサッカーに変化が必要になってきたとボルダラス監督は感じている。
ボルダラス監督の経歴を分析すると、自身のサッカー選手としてのキャリア、引退してからの長年監督歴、監督としての実績が分かってきた。
短く幕を閉じたサッカー選手人生と28年間という長い監督人生の中でボルダラス氏は豊富な実績を積んできた。
ボルダラス監督という人物は「大胆な決断」と「冷静な判断力」を兼ね備えた知将だ。
分析力にも長けている。「ヘタフェのサッカーが変化しなければならないこと」は自身でも語っていた。
ボルダラス監督とヘタフェ、今後のサッカーがますます楽しみになってきた。
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