歴代オーバーエイジ枠は誰だった?招集メンバーから分かった日本代表の特徴とは?

オリンピック
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オーバーエイジ枠選手の活躍が話題になっていますね。

サッカー日本代表U24のオーバーエイジは吉田麻也選手、酒井宏樹選手、遠藤航選手の3名に決まり、守備陣に安定感をもたらしました。

 

 

さらに・・・

オーバーエイジの選手は歴戦の勇者。豊富な経験があり、U24(アンダー)世代の選手にとっても、頼もしい存在となっています。

 

 

そこで本記事では、オリンピック歴代日本代表のオーバーエイジ枠選手をまとめてみました。

 

すると・・・

興味深い特徴が分かってきました。それではさっそく見ていきましょう。

 

サッカー日本代表|歴代オーバーエイジ枠は誰(だれ)だった?

 

 

サッカー日本代表|歴代オーバーエイジ枠の選手一覧(1996~2021)
開催年 開催地 オーバーエイジ選手 成績
2021 東京 吉田麻也(DF)

酒井宏樹(DF)

遠藤航(MF、ボランチ)

未定
2016 リオデジャネイロ 興梠慎三(FW)

塩谷司(DF)

藤春廣輝(DF)

グループリーグ敗退
2012 ロンドン  

吉田麻也(DF)

徳永悠平(DF)

ベスト4
2008 北京  

招集なし

グループリーグ敗退
2004 アテネ 小野伸二(MF)

曾ヶ端準(GK)

グループリーグ敗退
2000 シドニー 楢崎正剛(GK)

三浦淳宏(MF)

森岡隆三(DF)

ベスト8
1996 アトランタ 招集なし グループリーグ敗退

 

ポジション別にしてみると興味深いことがわかってきました。

歴代オーバーエイジ枠に招集された選手は合計13名

 

そのうち7名がDF(ディフェンス)の選手だったのです。

13人中7人・・・つまり半分が守備陣となっています。

 

さらにGK2名と守備的MF(ボランチ)を含めれば、13人中9人がディフェンシブな選手を起用していることが分かったのです。

 

そうなのね!

はじめて知ったわ!

 

 

日本代表はOA(オーバーエイジ)を活用して

守備面を強化してるのが分かるねっ!

 

 

日本代表|歴代オーバーエイジ枠は守備の選手が多い!いったいなぜ…?

 

 

歴代のオーバーエイジは約半数以上(13人中9人)が守備的な選手だと分かりました。

そこでこんな疑問が出てきますよね・・・

 

なんで守備の選手が多いのかしら?

得点が必要なのにどうして。。。

 

「いったいなぜ日本代表のオーバーエイジ枠には、守備的選手が多いのでしょうか?」

その理由をお答えしますねっ。

 

それは・・・

「失点しないことが第一条件だから」です。

 

 

よく分からないんだけど・・・

どういうこと?

 

 

解説するねっ!

オリンピックには「オリンピックの戦い方」があるってことなんだ!

 

 

オリンピックの本大会では、まず予選でグループリーグを戦いますよね。

 

グループリーグは4つに分かれていて、それぞれ4か国が1試合(3試合)対戦します。

そして各リーグの勝ち点が多い上位2か国が決勝トーナメントへ進出できます。

 

 

勝ち点を得るにはまず「失点しないことが第一条件」になるんです。

もちろん試合に勝てば勝ち点3

 

ですが・・・

引き分けでも勝ち点1をゲットできます。

負ければ勝ち点(0)はもらえません

 

 

オリンピックで勝ち上がるには、オリンピックの戦い方をする必要があるんですね。

オリンピックの戦い方とは、すなわち「負けない戦い方」

 

 

そして・・・

負けない戦い方の一番大事な要素が「失点しないこと」なんです。

オーバーエイジ枠に守備の選手が多いのも、そういった理由からでしょう。

 

 

さらに守備が安定すればボールキープする時間が増え、攻撃のチャンスがたくさんできるんです。

つまり守備と攻撃は別物ではなく「一体化」しているんですね。

 

 

とくに近年のサッカートレンドは、攻守の切り替えが速さが大事になっています。

ボールを失ったらすぐに守備モード、ボールを奪ったらすぐ攻撃モードに変わるってことですね。

 

 

フォワードの選手も前線から守備をするし、ディフェンスの選手も攻撃参加をする。

このような攻守連動型のサッカーで大事なポジションがボランチと言われています。

 

今回でいえば遠藤航(えんどうわたる)選手がやっているポジションですね。

 

ボランチとは・・・守備的ミッドフィルダーのことで攻守の切り替え、危機察知、攻撃も守備もマルチにこなすチームの核となるポジションです。

 

■遠藤航(えんどうわたる)選手については、こちらの記事で解説しています。

サッカー用語「デュエル」とは?遠藤航がブンデス勝利数1位!

【徹底分析】遠藤航の強みとは?シュツットガルトの中心的存在になった理由

遠藤航(えんどうわたる)の年俸推移が急上昇!各クラブでの年俸はいくら

 

 

オーバーエイジ枠とは・・・?

 

オリンピックの男子サッカーでは、年齢制限が設けられていて「23歳以下の選手しか出場できない」というルールがあります。

 

しかし、本大会にかぎり・・・

特別に23歳より年齢が上(うえ)の選手を、最大3名までチームに入れることができます。

 

このルールを「オーバーエイジ枠」と言い、

3名に選ばれる選手のことを「オーバーエイジ」の選手と言います。

※本大会以外の予選では「オーバーエイジ枠」は使えません。

 

 

「オーバーエイジ」を直訳すると・・・

英語のOVER(オーバー=以上)AGE(エイジ=年齢)に由来していて、決められた年齢以上の選手のことを指します。

 

なお・・・

「オーバーエイジ枠」は使用義務はなく、使わなくてもオッケーなんですね。

 

オリンピック本大会のメンバー登録は最大18名なので、オーバーエイジ枠を使わなければ23歳以下の選手を18名登録すれば良いのです。

 

オーバーエイジ枠はなぜ生まれたのか?

 

 

結論(けつろん)からいうと「サッカーW杯と五輪のバランスをとるために」

オーバーエイジ枠は生まれました。

 

■・・・かみ砕いて解説しますね・・・■

サッカーワールドカップが始まったのは1930年

それ以前はオリンピックが世界最高峰のサッカー大会でした。

 

この頃から各国のサッカーリーグはプロ化され、一流プロサッカー選手が集まるワールドカップはオリンピックに代わる世界最高峰の大会になっていきました。

 

しかし・・・

1970年オリンピックはアマチュアしか出場できなかったルールを撤廃、プロサッカー選手が出場できるようになったのです。

1984年のロサンゼルスオリンピックから、サッカー競技でもプロ選手が出場可能になりました。

 

これをきっかけに・・・

世界最高峰の大会を巡ってFIFA(国際サッカー連盟)とIOC(国際オリンピック委員会)の対立が始まります。

 

「W杯と五輪・・・どちらの大会がより多くの人気と集客できるのか?」

・・・このように焦点があつまっていきました。

 

 

そして・・・

1988年のソウル大会では、1984年のロサンゼルス大会につづきW杯予選や本大会に出場した選手はオリンピックに出場できなくなってしまいます

 

その後・・・

1992年バルセロナオリンピックからは出場資格が23歳以下になったのですが、この大会は予想以上に盛り上がらず。。。観客動員数が大幅に前回を下回ってしまったのです。

 

当時盛り上がらなかった理由は、さまざま挙がりましたが、その一つが「23歳以下の若い選手で知名度が低かったため」と考えられました。

 

そこで検討されたのが・・・「オーバーエイジ枠」です。

 

つまり・・・

知名度のあるトップ選手に出場資格を与えるためオーバーエイジ枠が誕生したんですね。

 

 

まとめると・・・

■ オーバーエイジ枠におけるFIFAとIOCの視点 ■

FIFA側=U17、U20につづくU23W杯という位置づけ。W杯の存在意義を保つ

IOC側=オーバーエイジ導入により盛り上がる大会にできる。観客動員数も増える

 

こういった背景のもと、

オーバーエイジ枠が誕生したようです。

 

 

オーバーエイジ枠はいつから始まった?はじめての大会は・・・

 

 

オーバーエイジ枠が始まったのは

1996年アトランタオリンピックからです。

日本代表がブラジル代表を破った「マイアミの軌跡」を起こした大会ですね。

 

以降2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオと6大会にわたり導入され続けているんですね。

 

みなさんも知っているとおり2021年東京オリンピックでも、OA(オーバーエイジ)枠は続いています。

 

 

まとめ

 

 

「いかがだったでしょうか?」

日本代表の歴代オーバーエイジ枠に守備的選手が多かったとは、これまで気が付きませんでした。

また、「オーバーエイジ枠」誕生のエピソードには驚きましたね。

 

OA(オーバーエイジ)は若手とベテランの融合が醍醐味(だいごみ)ですよね。

東京オリンピックまで「残りわずか」となりました!

 

2021年日本代表オーバーエイジの「吉田麻也選手、遠藤航選手、酒井宏樹選手」の活躍に期待しましょう!

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

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